Vol.5 編集後記 編集長・大部令絵

「コミュニケーション」と言われたとき、あなたならどんなことを想像しますか?

先日、ある講義で「人間のコミュニケーションのうち、言語コミュニケーションは30~35%程度のもので、ジェスチャーや表情、声色など、非言語コミュニケーションの占める割合の方が大きい」ということを知りました。 確かに例えば、「一緒にいたい」という言葉のみをもらうより、見つめられる視線や、つながれた手のぬくもりの方が印象では勝るかもなあ、と思わず納得してしまった私です。

ところが一方では、残りの65~70%を占める非言語のやりとりは、結構バリアフルなのではないか、とも思うのです。 小誌のvol.2女子会では、強度弱視の女性が「みつめ合う」ということができず、そのことを一時期コンプレックスに感じていたと語っておられました。 他にも、筆談等が使えても場の空気がなかなか読めなくて困る、という話を聴覚障がいのある友人から聞いたこともあります。 私自身はどうかというと、ホルモンのお薬を飲むといつも以上に汗をかくことを気にするあまり、手をつなぐ勇気が出ない(笑)。

今の世の中、「伝える」手段はずいぶんと多様になりました。 私が子どものころは、インターネットはすごく遠い世界で、今の世など到底想像もできませんでした。 今では、ブログ、Facebook、Twitterとインターネット上で文字を使った通信手段が増えて、直接会ったことのない人とも交流することもできます。 Co-Co Life女子たちも、文明の利器をフル活用。 モデルさんたちのアカウント交換会は、誰が決めたわけでもないのに、もはや撮影の際の恒例行事です。 その最中、視覚障がいのモデルさんがスクリーンリーダーで相手の文字を読み、聴覚障がいのモデルさんが相手のつづった文字を読んでお互い交流しているのを見て、「文字のやりとりって便利だ!」と改めて気づかされました。

こうした様子を見ていると、やっぱり言葉も大事なんですよね。 日常生活でも、「こんなこと言わなくてもなんとなく通じるだろう」などと思いこまずに、あるいは伝わらないことを嘆く前に、言葉を尽くすことは重要なのではないかと思うのです。 そうするだけで、世の中の喧嘩やイライラの3分の1は防げるのではないかという気がするくらい。 そして先に述べた、障がいや病気による非言語の伝わりづらさをカバーしてバリアを減らすのも、やはり言葉なのだと感じます。

Co-Co Life女子部は、表紙も含めて全24ページ。 各担当者は毎号、一生懸命に言葉を尽くして誌面を作っております。 私たちの紡いだ言葉が少しでも、読者の皆様の一歩踏み出すきっかけ作りのお役にたてば幸いです。

最後に、ご協賛くださった皆様、広告をご出稿くださった企業・団体の皆様、スタッフとして参加してくださった皆様、そしてなにより、小誌をお手に取ってくださった皆様に、厚く御礼申し上げます。

平成25年8月 Co-Co Life女子部 編集人 大部 令絵

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