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フィリピン、KPACIO体験談その15、ビーナスジュピター

 ナボタスから真っすぐハリエットさんの家(マラテ)に帰るものだと私は思っていたのですが、
帰りのジプニーの中でダフネさんに、

「今日の夕食は、ハリエットさんの友達が経営しているレストランで食べるから。
ハリエットさんとはそこで待ち合わせてるから」

と告げられます。

経営者は日本人らしいです。

ジプニーを下りて電車に乗り、タクシーに乗り、
「ビーナスジュピター」というレストランに到着します。

 

なんとも...高級な雰囲気...。

 

ちなみに、スラム帰りのその日の私のかっこうは、
中学2年の時から8年間着ている襟首の伸びきったtシャツと、
小学校5年の時以来履いている長ズボン
  (しかも途中で丈上げしていた裾を下ろしたりしていて裾だけ微妙に色が違う)、
2000円で買って高3の時から毎年履いているのでもうボロボロになり、
しかも今日湿地帯を歩いたせいで泥だらけになった靴を身につけ、
100円金一で買ったシュシュで髪を結び、
マラボンでジャレットのお婆ちゃんからいただいた櫛を前髪に刺している...

という、日本のレストランならドレスコードでたちまちひっかかりそうな、
この日初めてフィリピン人のサイドカーのドライバーに
「この子もフィリピン人かい?」と聞かれたような実なりをしていました。

{なんで小学校の時買った服がまだ着れているのかって?
中1を最後に大きくなっていないという悲しい現実のせいに決まってるじゃないですか。
親孝行な娘でしょ?}

 これまで1週間スラムで過ごしてきた私は、
落ち着いた高級な雰囲気のレストランの椅子で非常にuncomfortable(居心地が悪い、落ち着かない)なのです。

 

それまで公園で遊んでた小学生が突然連れ出されて、
ホテルの最上階のレストランに連れてこられた、そんな気分なのです。

 

いいえuncomfortableの理由のもう一つは、
今この店にいるお客さんが、私とダフネさん二人だけだ、という現状です。

 

後にハリエットさんがやってきて、私たちは注文します。

どうやら、日本料理の店です。

なぜフィリピンにまで来て、ちょっと怪しい日本料理を食べなければならないのか...
最初あまり理解できなかったのですが、
ここはNGOのスタッフたちが経営しているレストランらしくて、
売上の一部がスラムの子どもたちの教育費に変わるのだとか。

 料理も終わりにかかったころ、

"Harriet! Thank you for comming!(ハリエットじゃない、来てくれてありがとう)"

という声とともに女の人登場。

ハリエットさんは手早くダフネさんと私を紹介します。

"Is she Japanese? Japanese?"

と慎重に確認するその人。

 

それもそのはず、普通の日本人、たぶんこのかっこうでは現れないですよね。

スラムにいる時はみんなに馴染んで壁を無くすのに有効な服装ですが、
日本人に会うとなるとちょっと恥ずかしい。

私が日本人だと分かると、

「初めまして、中村と申します」

と突然日本語になるその人。

お互いに自己紹介だけちょっと日本語で話した後、

私が"We were talking about ..."
とハリエットさんとダフネさんに、大まかな内容を伝えます
(自分が周囲がタガログ語しか話さない中で寂しい想いをよくしているので、
日本語で話した後私はかならず内容をフィリピン人にも伝えます)。

 

そこから後は、全員で話しをシェアできるように4人の言語は英語です。

中村さんはこのレストランの経営のことやスタッフのことなど、いろいろ話してくれました。

最後にはサービスでデザートが出て。
そのまま帰りはタクシーで帰宅という、これまで1週間スラムで過ごした私にはもったいないようなリッチな時間でした。

 

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