Co-CoLife Vol.3

Co-CoLife Vol.3 page 19/24

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私もずっと自分を卑ひ下げしてきた人生でしたよ。実の父は、私が産まれたことで「俺は障がいのある子を産んだんだ」って、母への暴言や暴力が日常の家庭で育ったので。「男の人は怖い」「障がいがある自分は最低だ。....

私もずっと自分を卑ひ下げしてきた人生でしたよ。実の父は、私が産まれたことで「俺は障がいのある子を産んだんだ」って、母への暴言や暴力が日常の家庭で育ったので。「男の人は怖い」「障がいがある自分は最低だ。生きている資格はない」とずっと思って生きてきました。でも、主人は、「一人の人間として、そんなふうに考えるのは絶対におかしい」ってずっと言い続けてくれて。私の自己卑下の気持ちを打ち消していってくれたんです。私の場合、「壁」になったのは、相手のご両親、特にお義母さんの反対でしたね。「同じ耳の聞こえない子が生まれるんじゃないか」「聞こえない母親に子どもを育てられるのか」という偏見があって。交際時もご挨拶に行きたかったけど、一度も受け入れてくれなかった。電話を夫がかけても「もういい」でガチャッと切られちゃったみたいで。それはつらいですね……。でも間にいた夫が一番つらかったと思います。最終的には押し切って結婚したわけですが、子どもができた時もお祝いの言葉もありませんでした。……あー、ごめんなさい。当時を思い出して涙が……。でも、子どもが夫にとても似てて。ある日、子どもの写真を送ったら、やっぱり自分の子どもに似ている孫はかわいいんでしょうね。最近やっと家に遊びに来てくれたり、私も夫の実家に行けるようになって。今は、いい関係を築きつつあります。バリアフリーにも徹底的にこだわった結婚式――相手のご両親が反対される中、結婚式はどうしたんですか?やっぱり式を挙げることはあきらめて、2人で写真だけは撮りました。でも、それを聞いた友だちがサプライズでウェディングパーティーをしてくれて。いろんな友だちがやってくれたので合計で3回もありました(笑)。私の両親も呼んでくれて。ありがたかったですね。――この春に結婚式を挙げる予定のチエさんは式場選びとかはどうしてますか?私、超こだわってますよ!ゲストには、視覚障がい、聴覚障がい、車いすもいるから式場のバリアフリーにもこだわっていますが、まあ一般の方のバリアフリーに対する意識の低いこと。「バリアフリーですよ」と聞いて行ってみたら「どこが?」みたいな。なので、式場選びは大変でした。ドレスも、自分ではほとんど見えないから、コメントが重要なんですが、「きれいですよ」「お似合いですよ」だけではわからないんですよね。結局、10店舗以上ドレスショップを回って納得したものを決めました。すごいパワー!!私は、「これがいい」と思ったものはフワッとし過ぎて車いすに入らなくてあきらめたな。でも、スタッフの方に頑張ってもらって着物も着られたのはうれしかったですね。「主婦像」を乗り越えるために――結婚してみて、結婚生活はどうですか?例えば、家事。「結婚生活で心配なこと」の上位に挙げる、障がいを持つ女子が本当に多いんですよね。それは私もあります。今も。家事って頑張ればできるんだけど、それを毎日やれって言われたら本当いは自分が作るものだよ」と言ってくれて。そんなことを面と向かって言ってくれた男性は初めてでした。この人は、私に、人間対人間として何かをちゃんと教えてくれる人だと思って、より一層気になる存在になりました。で、告白したんですが、「僕はそんなつもりじゃない」って思いっきり振られました(笑)。でも、あきらめずに数年間押しまくって、交際、結婚までこぎつけました。粘り勝ちですね(笑)。ヒロコさんのピュアな想いが伝わったんでしょうね。どういうアプローチをしてたんですか?好きなものを聞けば、遠くまで買いに行ったり、手編みのマフラーをプレゼントしてドン引きされたり(笑)ですかね。両親と私の間にいた夫が一番つらかったと思う――皆さん、自分から告白やプロポーズをしたり、授かり婚だったり……。積極的ですね!障がいがあると、いろんな壁があって、恋愛や結婚へ積極的になれないって周りでもよく聞きますが。19