【第2弾】9月29日公開の映画「パーフェクト・レボリューション」の舞台挨拶&完成披露試写会に行ってきました

2017年9月7日にTOHOシネマズ新宿で行われた、
監督・松本准平/主演・リリー・フランキー「パーフェクト・レボリューション」という
映画の完成披露試写会に、ココライフ女子部代表として中嶋涼子が行ってきました!

この作品は、熊篠慶彦さんという方の企画&原案で生まれた映画です。
熊篠さんは生まれつき脳性まひによる四肢まひがあり、カスタマイズされたイケイケの電動車いすユーザー!
ということもあり、会場には車いすユーザーの方がチラホラ。って自分もだったw

完成披露試写会が始まると、まずは予告編が流れ、
その後、今回の原案&企画者でもあり劇中の主人公のモデルでもある熊篠さん本人が、
カスタマイズされたイケてる電動車いすに乗って登場。

続いて、監督の松本准平さん、主人公「クマ」役のリリー・フランキーさん、
ヒロイン「ミツ」役の清野菜名さん、クマの介助士「恵理」役の小池栄子さんが壇上に登場~!

清野菜名さんの顔の小ささと小池栄子さんの陶器のような肌の綺麗さに感動。。女優さんってすごい。。

まずは、一言挨拶から。

リリーさんが、
「本日は雨の中お足元が悪い中来てくださってありがとうございます。」

と軽くトークを。その後少し緊張気味の清野さんが挨拶を。
「今日は天候の悪い中来てくださってありがとうございます。」

そこにリリーさんが緊張をほぐす為なのか、
「それさっき俺が言ったから!天候の悪い話は言ったから!」
と清野さんを突っ込み会場が笑う。

その後小池栄子さんが、冒頭からドヤ顔で
「えー、本日は天候の悪い中来てくださりありがとうございます」
と言い放ち会場が大爆笑w

みんなバラエティ
慣れしていて感動しました。

その後、熊篠さん、監督まで同じセリフを言う流れになりw、スタッフと共演者がみんな和やかに馴染んでいる雰囲気が伝わりましたw

◇ ◇ ◇

そして、次は熊篠さんとリリーさんの出会いについて二人が話す。
「二人の出会いは、10年くらい前にエッチなイベントに参加したら、
TENGAの方に熊篠さんを紹介されて出会った」とリリーさん。
出会いがもう、アブノーマルで面白い!

熊篠さんは、「ノアール」というNPO法人の活動として、
障がい者のセクシュアリティの重要性や大切さについて追求・発信・啓蒙している方で、
障がい者だって普通の人と同じように恋愛もするし性欲もあるし、
セックスするんやで!TENGAもね!といったような、
障がい者・健常者問わず少し聞きづらいと思われがちだけど当たり前のことを発信している方で、
なかなか面白い方なのです。

リリーさんが熊篠さんに出会った時に、
どうしてわざわざ熊篠さんが声高に障がい者の恋愛やセクシュアリティのあり方を主張しなくてはいけない世の中なのだろう、
その時点で健常者と障がい者の間にズレがあるのではないかなと感じ、
熊篠さんの活動に共鳴し、二人は仲良くなったそうです。
リリーさんは実際に「ノアール」のイメージキャラクターを書いていて、劇中にも度々登場します!

かわいいクマ。よく見ると、えろす。

エロカワクマさん!!


劇中でリリーさんが乗っている車いすは、実際に熊篠さんが普段使っている車いすなんだそう。
まず車いすに「LOVE ME TENGA」と書いてあるステッカーが貼ってあるw
熊篠カーの説明はこんな感じです。
舞台挨拶&映画の劇中、フットレストがなんでチェーンなんだろう、
とずーっと思っていたのですが、後に理由を知って笑ってしまいましたw

私、こういう世間一般に「ぶっ飛んでいる」と言われがちな人、すごく好きですw
普通に思ったことを実行しているだけで素晴らしい事だと思うのに、
世間一般からは激しめといった扱いを受けがちなんですよね。
リリーさんも熊篠さんも、エロい事が好きで、それを淡々と話してくれる感じがすごく似ていて、
本当にハマり役だったなあと感じました。リリーさん曰く顔も似ているしね。とのこと。
小池栄子さんも「熊篠さんもリリーさんも居心地の良さが、
初めましてなのに緊張しないしさせない感じがすごく似ている」と太鼓判。
リリーさん「緊張感がないんですよね~」
熊篠さん「なんか緊張しないんですよね~」
小池さん「ゆる~いんですよね~w」
私もよく言われる、、緊張感がない、ゆるい、と言う言葉に、
絶対熊篠さんと気があうわ~と勝手に共鳴してしまいましたw

◇ ◇ ◇

映画化が決まり、リリーさんは、トークショーなどに参加するくらいでもお手伝いできれば、
と言っていたら、いつの間にか主演になっていたそうでw
司会の方が、「熊篠さんの役を演じるにあたって大変な点はありましたか?」と質問すると、
「元々知り合いだったので、役作りはあまり苦労はなかったけれど、
撮影前に車いすの操作を習得する為に何度かレッスンに通った。」とリリーさん。
続いて熊篠さんが「でも習得が早かったですよね」とフォローすると、
「この車椅子本当に凄くて、僕免許無いから一台欲しいんですよね。
多分うちから銀座まで10分でいけますよ、コレなら」とリリーさんが言うと会場が爆笑w
また、「ずっと撮影中は車いすに乗っていたから、
今日久々に清野さんや小池さんと会って同じ目線で横並びで取材をした時にすごく違和感があった」とのこと。
確かに私も車椅子目線で家族や友達や彼氏(いる場合)を見上げながら話すのが当たり前だったけど、
私がいきなり歩けるようになって、同じ目線で横並びに歩いたらすごく変な感じがするんだろうなあと、
感慨深い気持ちになりました。

自然と面白おかしく、色々な出来事を話してくれているけれど、
リリーさんがさりげなく言っている一つ一つの内容に私は笑いながらも感動していました。
そして、ちょっとした一言なんですが、とても嬉しかったことがあります。
「役作りにあたって熊篠さんからのアドバイスなんかはあったのでしょうか?」という質問に、
「10年来の知り合いでもあるし、この人(熊篠さん)はこういうシャイな人だから、指示も一切して来るわけでもなかったけれど、役を演じる事になり改めて熊篠さんの事を観察してみて、ちょっとした不便さに気づいた。」と。
「熊篠さんとお会いする時は、ほぼ外ですが、彼はあまり飲食をしないんですよね。でもそれは、バリアフリーなレストランといっても入り口にスロープがあっても、トイレがバリアフリーでないとトイレに行けない。だから食べるのも飲むのも控えているんですよね。そういうことは、今回の役を演じるにあたって熊篠さんのことをちゃんと見ようとしたことで気づけた」と仰っていました。

リリーさんが自然とそういう障がい者の事情を感じ取ってくれていることがなんだかすごく嬉しかった。。。
そういうところって、人生で障がい者と仲良くならないと、一ミリも考えないし気づかない事ですよね?
何も知らなければ、ただ、この人は少食なのかな?お酒弱いのかな?と思うだけかもしれない。私も自分が障がい者になってなければわからなかったと思います。

私の家族や友達も、付き合いが長くなるにつれて、遊びに行く時に自然と、車いす用のトイレは無いらしいけど平気?とか、階段はあるけど手伝ってもらえるみたい、と教えてくれたり、自然とバリアフリー面に気づいて会話をしていることがすごく嬉しいです。

逆に手伝う側の人の考えは、私には気づかないこともあるので、今日は車いす子押すからヒールをやめてスニーカーにした、バッグはかさばるからリュックにした、などさりげなく相手が車いすを押す事を考慮して準備してくれていることを知って、感動することもあります。

◇ ◇ ◇

次いで監督が熊篠さんにお会いした時のお話に。
初めて会った時が衝撃的で、それまで「脳性まひ」の人がどういう人なのかもあまり知らず、ちゃんと喋ることができないのかな?など思っていたら、
実際に会ったら、ペラペラ喋るし、いきなり自身の出演するAVのDVDを渡され、
自分でMasturbation(あえて英語)するユーチューブ動画のリンクも送られてきて、
色々とイメージが衝撃的だったそうですw
「脳性まひ」といっても人によって様々な程度もあるし、
障がい者というだけでも一人一人違うので、やはり出会ってみないとその人の事はわからないし、
その障がいのイメージだけが先行してしまって勝手に壁が出来てしまう世の中の環境を、
壊して行きたいなあ、と、熊篠さんや出演者の方々との全く壁の無いトークを目の前で見て改めて感じました。

清野さんが、ミツ役をオファーされた経緯については、
ある時、テレビドラマのポスターが街中に貼ってあり、
清野さんの笑顔を見て、ミツは彼女しかいないと思ったそうです。
監督から、「ミツの笑顔と清野さんの明るい笑顔はぴったりだと思う」という
お手紙をいただいて感銘を受けた、とのやりとりに、
リリーさんが「まあまあ気持ちわるい内容ですね。」
小池さんが「だいぶ気持ち悪いですね。私お手紙もらってないんですけど。
なんなんですかこのいちゃつきみたいな時間。」
と監督をいじるあたりが、和気藹々としていて好きでした。すごい笑ったw

◇ ◇ ◇

最後は、劇中でリリーさん演じるクマの電動車椅子の後ろに乗って爆走する清野さん演じるミツの再現という事で、

清野さんが熊篠さんの車椅子に乗って笑顔で退場!可愛かったし、ミツにしか見えなかったw


障がい者を扱う映画やドラマって、大体感動モノだったり、お涙頂戴で、
つらいね!大変だね!かわいそうだね!アピールが多めで重い感じのものが多いですよね!
そう言いながら、大体私も見て号泣しちゃうんですけどねw
この映画は、そういうのが全くなく、普通の男女の激しいラブストーリーで、
たまたま男が電動車いすに乗っていて、
感情的な彼女がたまたまパーソナリティ障がいを持っている人だった、という感じ。

私は映画が大好きで、かつては年に365本を見るほど映画を見ていました。
映画が好きすぎてハリウッドに留学し、大学では映画学部の映画評論を専攻しました。
なので、今まで、様々な国のあらゆる映画を見てきました。
ハリウッド映画に多い、育ちや環境の違いで起きる「障がい」。

育ちのいいお嬢様が貧乏人だけど型にとらわれない自由に生きる男性に出会い、惹かれ、結ばれるが、
周りの家族や友人の反対や、金持ちフィアンセの悪役が現れ、それを見る観客は劇中の二人を応援する。
「パーフェクト・レボリューション」もそういったラブストーリーとなんら変わらない。
たまたま主人公の男性クマは、脳性まひという障がいがあり車いすに乗っているのが特徴の一つで、
出会った女性ミツは、一瞬一瞬の感情を大切に生きていて世間一般の価値観に全くとらわれない自由な女性で、
パーソナリティ障がいを持っている女性だった。そんな二人の前に立ちはだかる様々な「障がい」「反対」「悪者」それを乗り越えるために奮闘する二人を応援したくなるストーリー。

脳性まひ×パーソナリティ障がいといった特徴が今までになかっただけで、
そこが新鮮というか、新しい価値観を教えてもらえる映画になっていて、
ストーリー展開も従来の型にとらわれないので新たな発見があるし、予測もできない。
自分の境遇が劇中の登場人物と似ていると、共感して作品にのめり込んでしまうことってありますよね。
恋愛を親に反対されて悔しかった事とか、
辛い環境でこういう人がいたらいいのにと思うような人が作品に現れると自分をその境遇に投射してみたり、、
私はたまたま自分が車いすに乗っていたので、
クマの日常やちょっとした他人の一言に傷つく心境に共鳴してしまった。

たまたまパーソナリティ障がいのある方と出会った事もあったから、
先のことよりも、一瞬一瞬を衝動的に生きるミツをみて、
そうそう、エネルギーのように今を生きる人もいるんだ、と過去を思い出したりもした。
映画の感想はイトユカさんが既にレビューしてくれているので、そちらをご覧ください。
是非この映画を見た方々と感想を語り合いたいです。

きっと、健常者の人は、初めての体験すぎて混乱して理解ができない人もいるかもしれない。
そうか、こういう状況が起きる可能性があるんだ、と新鮮に思えるかもしれない。
車いすユーザーの方は、クマの日常やさりげない言動、悩みに、あるある!!とすごく共鳴するかもしれない。
パーソナリティ障がいのある方や、感情的に生きている人には、
こういうときあるよね!こういうこという人いるよね、ミツ~!と、
ミツのパワフルな言動やエネルギッシュさ、その瞬間を本気で生きている感情に共鳴するかもしれない。
家族や友人に障がいのある方がいる人は、それを支える周りの方々の感情や、状況に共鳴するかもしれない。

偶然個性的な男女が出会って惹かれ合い、周りの壁にぶち当たりながらも、それを乗り越えようと人生をパワフルに楽しむ男女のストーリー、「パーフェクト・レボリューション」。是非ご覧ください。
(Co-Co Life☆女子部編集部 中嶋涼子 脊髄損傷の車いすユーザー)
 
▼パーフェクト・レボリューション予告編▼