「BEYOND GIRLS」小澤綾子さんが初の書籍を出版しました

日本IBMの社員でありながら、Co-Co Life☆女子部のタレントとして活躍する「BEYOND GIRLS」の小澤綾子さんが、2018年3月20日に書籍を出版。彼女の本に込めた思いを出版イベントにて伺いました。

著書のタイトル『10年前の君へ―筋ジストロフィーと生きる』。1ページごとにシンプルな言葉がつづられたこの本の帯には「幸せになると私は決めた。」とあります。

綾子さんは小・中・高、大学まで、ずっと普通校で学んできました。けれど小学校4年生の頃から、 脳が指令を出しても足がうまく動かなくなる症状を自覚。 運動会では「怠けている」と責められ、いじめに遭いました。何とかみんなと同じように動けるよう努力しましたが、どうしてもできません。「どうしてみんなと同じようにできないのだろう?」ですが、病院に行っても原因はわからないまま。この「名前のない問題」に苦しんできたそう。

そしてついに、20歳になって初めて「名前のない問題」に名前がつくことに。それは「筋ジストロフィー」という病の診断。全身の筋肉が少なくなっていく難病で、治療法は見つかっていません。綾子さんは、そのとき医師に言われた言葉に絶望します。

「10年後は車いす、その後は寝たきり」。
まさに『10年前の君へ―筋ジストロフィーと生きる』は、今の自分からそのときの自分へ「何があっても大丈夫だよ」と言い聞かせる思いを書いた本なのだそう。

綾子さんは今、病気が進行し、杖だけでは歩くのが難しくなっています。医師から車いすを勧められたときにも葛藤がありました。そのときのことを「車いすになったら人生終わりだと思ってしまった」と打ち明ける綾子さん。でも今は、「車いすになっても何でもできるんだとアピールしたい」と言います。

もちろん、現実にはさまざまな壁があり、外出するにもひと苦労。段差があるから出かけられる場所も制限されてしまったそう。だからこそ綾子さんは「日本のバリアフリー化を訴えていきたい」と考えているのです。

診断されてから今に至るまでの間に、綾子さんは就職し、音楽活動で全国をまわり、結婚もして、今年からはCo-Co Life☆女子部のタレントとして、さらに活動の加速度を上げています。

「難病を抱えていても、こんなにたくさんの人に囲まれて幸せに生きている、というメッセージを伝えたい。この本が、みんなが“苦しい”と思ったとき、“大丈夫だよ”と励ます存在になれば」と綾子さんは語ります。 そんな綾子さんが所属するユニット、「BEYOND GIRLS」。「Beyond」とは“向こう側”を意味します。

障がい、世界、などいろいろな壁を超えていきたい。「ちがい」に苦しんだ過去から、「ちがい」を価値に変えたい。「BEYOND GIRLS」は、そんな思いで活動を始めました。

オリジナルソング『希望の虹』は綾子さんによる作詞で、「ちがいに苦しんだ私が流した涙が、綺麗な虹になる」という思いが込められています。

最後に、今を輝く綾子さんから、Co-Co Life☆女子へメッセージ。 「この先、病気がどんどん進行してしまうかもしれない。でも、みんながいたら、笑顔でいられる気がします。今、このときを大切にしたい。病気になったから出会えた人もたくさんいるから、大嫌いな病気だけど、今は感謝しています。もしくじけそうになったときは、ぜひこの本で何かを感じていただけたら嬉しいです」

(取材・ライター:長谷 ゆう 編集:関 由佳)


著書『10年前の君へ―筋ジストロフィーと生きる』(百年書房・すーべにあ文庫) 小澤綾子 著 540円(売価の10%が一般社団法人 日本筋ジストロフィー協会に寄付されます)
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日時:6月10日(日)16時~19時
場所:ランドスケープ 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティ15F (京王新線 初台駅直結徒歩5分)
入場料:前売3500円 当日4000円 デンマークのお菓子とお茶付き
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